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コラム Column

日本酒唎酒師あやかが日本酒を語る

伊藤彩夏

日本酒と牡蠣

アメリカでも大人気のオイスターバー。白ワインやビールを片手に牡蠣を食べるのが定番ですが、今回は秋の日本酒ひやおろしが入荷して来たので、日本酒と牡蠣のペアリングイベントを開催しました。

用意したのは3種類の牡蠣とそれに合わした日本酒3

Blue Point Oysterと麒麟山

Fanny Bay Oysterと真澄 ひやおろし

Paradise Oysterと七本槍 ひやおろし

※「ひやおろし」とは冬に搾ったお酒を熱処理し、夏を越え飲み頃になるまでゆっくり寝かせ、瓶詰め時に2度目の熱処理をせず生詰して出荷するお酒で、秋を代表する季節ものの日本酒です。

Blue Pointは3つの中で弾力がありながらも、1番ライトでミネラルに溢れる味わいなので、グレープシードオイルに岩塩で味付けをしました。麒麟山はスッキリとした飲み口に加え、どこかレモンやライムの皮を思わせる香りとほどよい苦みがあるので、牡蠣に柑橘系の香りを足すといった感覚で合わせてみました。

Fanny Bayは磯の香が強く、サイズは比較的小さめでしたが、しっかりとした甘みがあり、味付けはポンズに紅葉卸しと刻みネギを添えました。真澄のひやおろしは、大好きな美山錦の優しい甘さと長野県の酒造好適米ひとごこちのふくよかさが合わさり、熟成を通して角がとれ「まろやかな日本酒」という表現がとてもしっくりくる日本酒でした。

Paradise は1番クリーミーで濃厚なタイプの牡蠣なので、柚と岩塩でサッパリとした味わいに仕上げました。七本槍のひやおろしは、滋賀県産の山田錦をしようしていて、山田錦らしい柔らかさと熟成からくる、味の深みを感じられる純米酒です。牡蠣のミルキーさと日本酒の柔らかいうまみがバランスよくマッチし、上品な味わいを堪能することができました。

牡蠣はフレッシュな生酒や酸味のある日本酒と合わせるといいという話しを聞いたことがありましたが、程よく熟成され、角がとれ丸くなった秋の日本酒「ひやおろし」との相性も抜群でした。今回のペアリングで気をつけたことは、「牡蠣の味付けをシンプルにすること」でした。日本酒は、食材の自然な味わいを引き立たすことが得意なので、牡蠣の磯の香りと共に最後の味わいは日本酒に引き立ててもらい完成させます。

BESHOCK Ramenでは、今月末まで真澄、七本槍と日本では完売となっている上善如水の3種のひやおろしを楽しんで頂くことが出来るので、ご来店の際には、スタッフにお気軽にお声がけください。

2017.12.10

唎酒師 伊藤彩夏